スピーチコンテスト

英語スピーチについて代表大西が思うことを書いております「英語スピーチシリーズ」

第2回は

「小中高生のスピーチコンテストで求められていること」

スピーチ第1回「伝わらないスピーチを心に届くスピーチに変える4つのポイント」はこちらから

英語スピーチコンテストに挑戦する中高生が年々増えています。
英語教育が「読む・書く中心」から「伝える英語」へ大きく変化している中、
スピーチはその力を試す絶好の舞台です。

しかし、指導現場でよく起きる誤解があります。

「発音さえ良ければ勝てる」

また逆に

「発音が日本語っぽいから入賞できない」

実はこれは大きな誤解です。
どれほど発音がきれいでも、内容や伝える力が伴わなければ評価は伸びません
逆に、多少発音に癖があっても、伝えたいメッセージが明確で、聴き手とつながる表現ができる人は強いのです。


🏆 主要スピーチコンテストが重視するポイント

実際に、全国規模の大会の審査基準を見てみると、
「発音」だけではない評価軸が明確に示されています。

🔹 高円宮杯全日本中学校英語弁論大会(全国最大規模)

  • 内容(独自性・論理展開)

  • 発音・発声・イントネーション

  • 身振り・視線・表現

  • 聴衆への伝達力(Delivery)

内容と表現力に非常に重きが置かれ、発音のみで勝負はできない。


🔹 全国ジュニア英語スピーチコンテスト

第一次審査ではアプリを使って「発音、強勢、抑揚、声量」などの観点からAIが評価。

ここでとことん発音面は鍛えられますが、第二次審査の評価では、

Emotive Delivery(感情を込めた表現力)がなんと「×3」となっており、

かなり重要視されていることがわかります。

「気持ちのこもった言葉」を求めている。


🔹 KBSちびっこイングリッシュコンテスト(全国英語スピーチコンテスト)

  • 正確さよりも“人に届ける力”

  • 舞台表現(視線・間・ジェスチャー)も評価ポイント

発音(50点)抑揚(50点)表現力(100点)表現力が発音や抑揚の倍

スピーカーの発する言葉に熱量があること、また言葉の発し方だけでなく、ステージ上での

立ち居振る舞い、会場にいる観客までも惹きつけるだけの変化に富んだ伝え方、表現力を求めている。


💡 なぜ『発音の精度だけ』では評価されないのか?

内容の独自性・メッセージ性

社会問題・未来の夢・体験・価値観など、
自分の言葉で語れるかどうかが大きく評価されます。

Delivery(表現力)

  • 間の取り方

  • 声の強弱

  • イントネーション

  • 話すスピード

  • 聞き手とのアイコンタクト

→ 同じ文章でも、表現力があるだけで聴衆が惹きつけられます。

聴衆との“つながり”

スピーチは“一方通行の朗読”ではありません。
観客と対話する意識が、心に残るスピーチを作ります。


🎬 暗唱スピーチ(Recitation)においても同じ

暗唱コンテストは「ただ覚えて読む」ものではありません。
覚えた原稿を “自分の言葉として再構築して表現できるか” が評価されます。

  • 作者の思いを理解しているか

  • 感情や意味がこもっているか

  • ストーリーに合った間の取り方ができるか

  • 聞き手にどう伝わっているかを意識できているか

暗唱は 英語の筋力トレーニング のようなもので、
発音・リズム・表現力を総合的に鍛える最高の方法です。


🔑 まとめ:スピーチで中高生に求められているのは「相手の心に伝わる英語」

発音だけ 内容だけ 表現だけ
❌ 伝わらない ❌ 人の心に残らない ❌ 形だけになる

発音 × 内容 × 表現力 = 人を動かすスピーチ

発音の良さ、精度の高さは土台として当然必要です。
しかし、そこに 想い・構成・表現力 が加わって初めて、
聞き手の心に届くスピーチになります。

Newton Cupでは、日本人ではないお子さんも出場されますので、英語らしい発音でスピーチをされていて、一瞬は惹きつけられますが、そこに熱量や思いが込められていなければ、最後までは惹きつけられません。

総合的にバランスよく、どの項目も総じて高いと当然結果として賞を取れる可能性が高くなりますが、

それでも結果に結びつかないこともあります。コンテストには、日頃から高い目標をもち努力を重ねてきたお子さんが出場されるからです。

🏆最後は「目に見える結果にとらわれすぎない」「目に見えていない努力の積み重ね、結果を真摯に謙虚に受け止め次に繋げられる」力が必要

短期間でも練習した結果、賞をいただけ結果が目に見える人、そうでない人、コンテストなので両者が存在します。結果が出なかったことだけに目がいってしまうと、残念なこと、努力してきたのに・・・と悔しい気持ちも湧きます。もうやだ!とさじを投げてしまう思いになることもあるでしょう。次回のコンテストまで一生懸命努力しても結果がでるかどうかは誰にも分らないのですから。

しかし、続けなければ賞を取れるまでに磨きをかけられるプロセスも努力もまたそれによる成長も存在し得ません。

コンテストに出場するからこそ、本気でスピーチを磨く時間と努力を割こうとしますし、だからこそ力が伸びていくのです。

 

スピーチを学び続けること=英語での発信力を磨き上げることと同時に、高い志を持ち努力し続けるマインドを獲得できること

だからこそ、賞を取った取れなかったにこだわらず、「学び続け、深める」ことの価値を見ていただきたいなと願っています。

 

EAAの生徒たちの今年の雄姿をぜひご覧ください!

【英語暗唱スピーチ前編】2025 Newton Cup 英語レシテーションコンテスト(経験者部門)

 

【英語暗唱スピーチ後編】2025 Newton Cup 英語レシテーションコンテスト|初心者部門・結果発表 & 入賞者インタビュー

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